東芝デバイス&ストレージ株式會社(以下、東芝デバイス&ストレージ)と、山東天岳先進科技股份有限公司(以下、SICC)は、SICCが開発?製造するSiCパワー半導體用ウエハーに関して、SiCパワー半導體の特性向上、品質改善に向けた技術協力およびその成果を用いた両社間での高品質で安定的なウエハー供給の拡大に向けたビジネス上の連攜を行うことについて基本合意しました。今後、両社間において共同で、もしくは相互に協力して取り組みを進める項目について詳細の協議を進めていきます。
(左から)SICC 董事長 宗艶民
東芝デバイス&ストレージ 取締役常務 半導體事業部バイスプレジデント 栗原紀泰
電力を供給、制御する役目を果たすパワー半導體は、あらゆる電気機器の省エネルギー化やカーボンニュートラルの実現に不可欠な半導體であり、機器における電力使用の更なる効率化に関する要求などを背景に、今後も継続的な需要拡大が見込まれています。中でもSiCウエハーを用いたパワー半導體は、電気自動車や再生可能エネルギーシステムなどの高効率電力変換用途等、高溫環境下での動作が求められるため、電力効率に加えて信頼性や品質の安定性が課題となっています。
こうした中、東芝デバイス&ストレージは、鉄道向けのSiCパワー半導體の開発、製造、供給の実績をベースとして、サーバー電源用、車載用などのSiCデバイス開発を加速しており、今後さらにSiCパワー半導體の一層の損失低減、將來の高効率電力変換用途における信頼性と効率の向上を目指した製品開発を加速していきます。このためには東芝デバイス&ストレージ獨自の研究開発に加え、SiCウエハーの技術改良との緊密な連攜が必須であり、SiCウエハーの開発、量産技術においてグローバルなリーダーシップを有するSICCとの具體的な連攜が実現した際には、各用途に向けた最適なソリューションの提案が可能となり、事業拡大を加速することが出來るものと期待しています。
SICCは、2010年に創業後、一貫して単結晶SiCウエハーの開発生産を専業としてきました。品質と技術開発を事業理念の中心とし、世界トップ5の関連特許數を保有しています。2022年中國初のSiCをテーマとした株式上場を機に、グローバルな事業拡大と市場シェア拡大を垂直的に実現してきました。
2024年には、市場で初めての12インチSiCウエハーを発表し、2025年にはn型、半絶縁型、p型の全製品で12インチウエハーを発表しました。これからも、品質と最先端の技術力を通して、お客様に貢獻できる企業を目指していきます。
この度、東芝デバイス&ストレージとの連攜を実現させることにより、SiCパワー半導體製品の目線からの要求事項、また東芝デバイス&ストレージのSiCウエハーの要素技術利用に関する期待値などをSICCのウエハーの品質や信頼性の向上に結び付け、SiCパワー半導體の市場拡大への貢獻を目指します。
東芝デバイス&ストレージおよびSICCは、今般締結した基本合意書に基づき、それぞれの事業の発展に繋がり得る具體的な連攜內容について引き続き協議を行います。